モキュメンタリー25『二刀流・とびたまちゃんは、デッドボールがお好き!?』

登場人物

影山 鳶子(とびたまちゃん):経営管理部長。神業的な能力で社外の人心掌握術を誇る「縁の下の磐石」。しかし、社内ではその愛情が「捻くれた魔球」となりがちで、感情が着火すると「ストレートパンチ」を繰り出してしまう。

社長:長年の付き合いで、唯一の理解者(?) 彼女の不器用な物言いを「今日の調子は160km/h超えか」と受け流す。

鋭一郎:プロジェクトメンバーの一人。各部門から選抜された社員。冷静沈着で、暴走する鳶子に正論を突きつける。

あらすじ

経営管理部長、影山鳶子には二つの顔がある。

社外では、どんな気難しい相手も手玉に取る「顧客転がしのプロフェッショナル」。その完璧な準備と気配りで、会社の信頼を一身に背負う「社交の星」だ。

しかし、一歩社内に足を踏み入れると、その姿は一変する。

そのため、『まず、足元の部下をどうにかしてよ』と盛大な〝心のツッコミ〟を入れられている原因にもなっていた。

また、相手の言葉の裏を読みすぎることから何かと敵対しやすく、そのあまりにも不器用すぎる正義感?と完璧主義は、「歩く地雷原」と恐れられ、周囲からそっと距離を置かれてしまうことも多かった。

そんな彼女の唯一の理解者(?)は、創業以来の付き合いである社長だけ。彼は「また何か言ってるな」と、彼女の「物言い」を公認のツッコミとして受け流していた。

ある日、そんなとびたまちゃんの日常を揺るがす大事件が起きる。

会社の未来を担う「全社横断!キラキラ☆リーダープロジェクト」が発足し、その事務局長という名のまとめ役に、とびたまちゃんが任命されたのだった。

メンバーは、彼女が普段「ちょっと苦手…」と感じている、他部門の上司や同僚たちだった。

私たちが戦っているのは社内の人間ではありません。あなたのその『正義』は、一体どちらを向いているのですか?

プロジェクトは、案の定、開始15分で大荒れに。

とびたまちゃんは、徹夜で仕上げたA4用紙300枚、修正は一切許さないという鉄壁の進行計画を披露。しかし、メンバーの一人が爽やかな笑顔でこう言った。「ここまで細かいことを今決めると、かえって動けなくなると思うのですが?」

その瞬間、とびたまちゃんの「裏読みセンサー」がレッドゾーンを振り切った。(要するに、楽をしたいってことね!この計画をうちの部の子たちに手伝わせる苦労も知らないで!)

彼女はいつもの癖で、とびきり歪んだ変化球を投げてしまう。

「皆さまのように優秀な方々には、こんな計画、簡単だと思ったんですけどね。ま、このプロジェクトがどうなろうと皆さまは何も困ることはないでしょうから、気楽なものですよね」

その一言で、会議室は凍りついたが、「いや、そういうことじゃなくて…あなたのやっていることは、あなたが一番嫌いな『不公平』そのものですよ」というメンバーの正論の反撃に、ついにとびたまちゃんの感情が着火。

「もう結構です! どうせ私が泥をかぶれば済む話なんでしょ! おエライ皆さまのお手を煩わせるわけにはいきませんから、あとはこっちでやりますので! どうぞ高みの見物でもしていてください!」

伝家の宝刀「感情のストレートパンチ」と「ブチギレオーラ」で、プロジェクトは開始早々、空中分解の危機に瀕した。

自らが投げ込んだ魂のストレートは、あまりにも危険なデッドボールと化し、主軸打線のやる気を根こそぎ粉砕。しかし、とびたまちゃんは悪びれるどころか、「受け取れない方が悪いのよ!」とマウンド上で大暴れ。

すると、メンバーの鋭一郎は冷静に告げる。

「私たちが戦っているのは社内の人間ではありません。とびたまちゃん、あなたのその『正義』は、一体どちらを向いているのですか? 皆の心がささくれだって、疑心暗鬼になっている今、大事なのは、細かいルールを守らせ、統制することに注力するのではなく、お互いを尊重したり、気兼ねなく協力する」といった価値観を共有することじゃないのですか?」

皆が鋭一郎の話にうなずく中、とびたまちゃんは自らグラブを地面に叩きつけ、まさかの『セルフ一発退場』という前代未聞の暴挙に走った。

グラウンド(職場)に残されたのは、絶対零度の空気。果たして、制球不能のエース・とびたまちゃんは、次にどんなボールを繰り出すのか!?

 この物語はフィクションです。登場人物は、物語上の役割を担う「ジョブキャラ」として創作された架空の存在です。実在の方を連想させる場合でも、あくまで物語のためのキャラクターであり、実在の方ご本人やその言動を描いたものではありません。

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